祖母＝Ｔさんのおばあちゃん
Ｄ＝いろは副代表
Ｄ）自立して2ヶ月経っていかがですか？
祖）24時間自分だけの時間で、ゆったりした1日が過ぎていってます。最初はどうしているかと心配していましたけど、今は本人が自分で決めていろんなことできるようになって、手伝うことがなくなりました。最初は寂しさもありましたよ。今どうしてるかなと。今は1 人でコーヒーを淹れて、穏やかに暮らしています。
Ｄ）肩の荷がおりた感じですか？
祖）そうですね。今思うと、前は私が先走っていろいろやっていたと思いますね。Ｔから「おばあちゃん」と声があれば喜んで手伝うけど、自立して大人になってきましたね。自分でいろいろ決めているみたいだし。
Ｄ）初めていろはを知ったのはいつでしたか？
祖）高校3年の頃ですね。最初は自立出来るとかまではいかなかったですけど、いろんなイベントに参加したりして、だんだん自立して欲しいなあとそういう感じになりました。
いろはイベントに参加して、やっぱり笑顔というか(本人が)みんなと話しして良かったなあという思いの方が多いですよね。
いつか、いろはの行事の時に新聞にも載ったんですね。思いがけないそういうことにも出会えたし。良かったなあと思ってます。
Ｄ）これまでＴくんとの生活の中で大変だった事はありますか？
祖）うーん、まぁ歳重ねてきてどこまで一緒に暮らせるのかなあという心配はありました。でもＴと暮らさなかったら出来なかったような体験とかも一杯ありました。おじいちゃんの運転で一緒にいろんな所に行ったり、皆さんに会えるのもTと暮らしたからですし。
まぁ、自分で育てているような気持ちでいましたけど、実際は私もＴに育てられたのかというところも一杯あるような気がします。
例えば夜なんか「おしっこ」って呼ばれてね、「ばあちゃん何時？」って聞かれたから、「２時だよ」って言うと、「ばあちゃんごめんね」って言うのね。そういう優しさっていうか、ありがとうっていうのもTに教わったなあと常々思っていますね。まあ、大変なことはそんなに思い出せない感じ。楽しい思い出がいっぱいあります。
Ｄ）体力的にきついなと感じる事はありましたか？
祖）ありましたね。だんだん。今82歳なんですけど、気力と体力とか、今までできてたことができなくなってきましたし、起こして着替えして車椅子に乗せるなんて30分かかるようになっちゃったんですよ。そういう時は年取ったなと感じる。できないことが多くなりましたね。
Ｄ）Ｔくんがいろはと出会ってか1５年経つんですけど、成長したと感じるところはありますか？
祖）自分で決める事っていうか、私に何か言われてじゃなくて自分で決めるっていうことがだんだんできるようになってきた。人ともお話がいろいろできるし。「Ｄさんと食事に行くんだあ」とか。成長ですよね。
Ｄ）Ｔくんから初めて自立したいと打ち明けられた時、どういう気持ちでしたか？
祖）私もいろはの代表と会ってから自立は考えるようになりました。ばあちゃんがだんだん年を取っていなくなったら、「施設入るか自立するかってそういう事になるけど？」って言ったら、「施設は嫌だ」と本人の気持ちも強くありましたよね。だから、自立してほしいなという気持ちは強くなりました。本人も最初は自立ってどういうことなのか分からなかったと思うんですけど、体験室とか利用してだんだん自立するっていうことが身近になってきたのかなあと思います。
私もいつまで生きられるか分からないし、Ｔをおいていった後、本人の希望のように自立して欲しいという気持ちはずっとずっと持っていました。
Ｄ）いろはの体験室に行く様子を見てて、これなら自立できるなと感じた場面ってありますか？
祖）食事作った物見せてくれたり、いろんな体験してるところを話してくれてる中で、だんだん自立に近づいているんだなあっていう思いはありました。
本人もきっと自信がついてきたんだと思うんですよね。だからそういう意味では大丈夫だなあっていう感じ。具体的に自立できて2ヶ月過ぎてよかったと思います。安心していられる。
Ｄ）自立生活スタートしたんですけど、障害のある方の親御さんに向けたメッセージを聞かせてもらってもいいですか？
祖)いろはとの出会いっていうか、自分たちはラッキーだなと思います。自立したいんだっていう話はずっと前から他の親御さんにもしていましたからね。実際できたよって言ったら、「Ｔくんすごいね！これからも応援してるよ！」っていう言葉をもらいました。
Ｄ）Ｔくんのそういう自立生活している姿を知ってもらえると、そういう人たちにも自立した生活ができるんだと知ってもらえると思います！
Ｄ）最後の質問なんですけど、自立生活はあくまでもスタートなので、これから長い自立生活が待っていると思うんですけどＴくんに向けて一言お願いします。
祖）病気を持っているので、その辺が心配ですよね。自分がいなくなってしまって、そういうところが一番心配です。まあ、お母さんも兄弟も手助けしてくれると思いますけど、私の娘もいつも気にかけてくれるし、そういうところは頼って元気に生きてほしいなあと思います。
私も今は健康で、友達とも一緒に遊んだりバードゴルフにも行ったり、友達とランチしたりとかね、今の健康に感謝です。
