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Fさん自立10周年インタビュー

F・・・Fさん(脳性まひ)   Y・・・インタビュアー

詩の創作活動を行っており、詩集の出版や個展も開催している。

重度の言語障害があるため、トーキングエイドという文字を打ち込んで音声に変換する機械を使っています。

Y)自立生活10年を振り返って率直な感想は?

F)10年あっという間だった。とても良い詩の創作活動ができている。時には介助者とのいざこざもあったけど、みんなで朝まで酒を呑んだり、とても楽しいことがあった。

Y)自立する時に親御さんに反対されたと聞きました。それでも自立したのはなぜですか?

F)同じ境遇の人が自立生活をしているのをテレビで観て、自分も自立したいと思った。

 自立をすることが自分のためになると思ったから。自分が自立を目指したという意地があった!

Y)自立10年の中で大変な時もあったと思います。でもなんで実家や施設に戻ろうとは思わなかったんですか?

F)面倒なこともあるけど、好きなことができるから。好きな時に遠出ができるし!

 施設の時は決まって週二回しか風呂に入れなかった。自立してからは朝風呂でも夜遅くでも好きな時に風呂に入れるから。

Y)自分の口ではなく、トーキングエイドで意思を伝えるのは大変ですか?

F)トーキングエイドで感情まで伝えることはとても大変。たとえ、かるく言ってもすごく怒っているようにもみえてしまう。誤解されてしまうことも多いから、誤解されないように心掛けている。

Y:自立生活の中で一番にこだわっていることはなんですか?

F)自分のペース。自立生活を続けて、詩を書いているうちに余裕も出てきた。また、詩の創作活動を続けていることもこだわり。

Y)自立当時と現在を比べて大きく変わったことはありますか?

F)詩の活動が広くなった。人との出会いや活動する場所がとても広くなった。

 自分自身はあんまり変わってないと思う。

Y)自立生活10年で1番の思い出はなんですか?

F)東京で詩の展示と朗読会をやれたこと。これをきっかけに、ウルトラマンACEの隊員役だった佐野洋光さんや、赤毛のアンの声優さん山田栄子さんに出会ったこと。

Y)これから挑戦してみたいことはありますか?

F)大阪あたりで、詩の展示・朗読会などやりたい。海外旅行にも行きたい。福祉が充実している国に行って、日本との違いを見てみたい。

 

Y)自立生活を目指している障害者にエールをお願いします。

F)自立生活は、思う以上に大変なこともある。でも、自立をして何をやりたいか、しっかり自分に持っていれば楽しくなるはず。 自分のやる気によっては、ガラっと良い方へ変われるかもしれない。自立生活は、障害があっても人生がとても充実した良いものになると思うから……。




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