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映画「道草」上映会&講演会

 重度の知的障害者が介助者の支援を受けて地域で一人暮らしをする。​そんな生活をリアルに映したのが「道草」というドキュメンタリー映画です。映画には一人暮らしをしている重度知的障害者の他にも、一人暮らしを目指して奮闘する当事者とその家族などの生活が記録されています。この映画では当事者の親や地域での一人暮らしを支援する介助者へのインタビューを交えて、重度の知的障害者がどのように地域で一人暮らしをしているのか、どんな経緯で一人暮らしを始めたのか、どう介助者が寄り添うかなどリアルな生活を観ることができます。それと同時に、施設や病院や親元だけが障害者の生きる場所ではないこと、福祉制度を利用することで重度障害者が地域で生きることが可能であることをハッキリと知ることができます。

 上映後には、映画の中にも登場する「リョースケ」の父親で、早稲田大学教授の岡部先生の講演会も行われました。リョースケさんは介助者の支援を受けながら地域で一人暮らしをしています。岡部先生は講演会の中で日本の知的障害者の施設入所の現状を欧米などと比較しながら、重度の知的障害者が地域で生活するために必要な福祉制度、制度を利用する障害者の権利についてお話ししてくださいました。

​ 今回の上映会は、いばけんつ(茨城に障害のある人の権利条例をつくる会)主催により、2月18日につくば市で、同26日に日立市で開催されました。

 自立生活センターいろはでも、重度の知的障害者の一人暮らしを支援しています。支援が始まった当初は、本人からの意思表示は少なく、本人の意思を読み取るのに苦労しました。しかし、介助者は1対1の関わりのなかで、一つ一つの反応に寄り添い続けました。その結果、今では好き嫌いややりたい事を表現してくれるようになり、本人らしい生活ができるようになりました。ぜひ多くの人に重度の知的障害者にも、このような当たり前の地域生活が選択肢の一つにあるということを知ってほしいと思います。


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