「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業」を知っていますか?
これは、ダスキン愛の輪基金が実施する海外研修事業です。地域社会に貢献したいと志す障害者リーダーの育成を目的としています。
この度、CILいろはの八木が、この事業の第44期研修生に選ばれました!
私は、アメリカの障害者団体での活動を通して、「どのように障害者を支援し、障害者の権利を向上するための活動をしているか」を学びます。
研修生に選ばれ、「やったー!これでアメリカで研修できる!!」と喜んだのも束の間。アメリカ研修までには、高い壁が立ちはだかりました…。
それは、ヘルパー制度の問題です。
首から下を動かすことができない私は、日常生活に24時間ヘルパーの介助が必要です。
普段は、「重度訪問介護」という日本の福祉サービスを利用して、ほとんど自己負担なくヘルパーを利用できています。
しかし、海外での長期滞在中の利用は前例がなく、制度を利用できない可能性があることを知ったのです。
ヘルパーの介助料が全て自費になった場合、渡航費などを合わせると1年間で2000万円以上という途方もないお金が必要になります。
途方もない金額に、一時は1年間の研修を断念することも考えました。
しかし、他の障害者の仲間からも「大変だけど絶対に行くべき!」「八木君のチャレンジは必ず次に行く人たちに繋がるよ!」といった、応援や期待の言葉をたくさん頂きました。
その言葉を聞いて、「これはもう自分ひとりだけの夢じゃないぞ!」という想いが湧き上がってきました。
そして、「自分が前例になることで、他の多くの障害者にとっての希望になれる!」という想いから、私が住んでいる茨城県水戸市に制度について相談すると同時に、クラウドファンディング実施を決意しました。
このクラウドファンディングでは、延べ300人以上の方々から約560万円ものご支援をいただきました。
こんなにも沢山のご支援をいただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました。
クラウドファンディングのページはこちらをご覧ください。
そして、約3ヶ月の交渉の末、
アメリカ研修中もヘルパー制度を継続利用することが認められたのです!
水戸市の決定はとても画期的で、まさに全国で初めての事例です!
水戸市の方々は、「制度が障害のある方の挑戦の足かせになってはいけない。なんとか八木さんが制度を利用できるように。」と奮闘してくださいました。
そして、「ぜひ頑張ってきてください」という言葉までいただきました。
本当に嬉しく、そして感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、先日この決定についての御礼をさせていただくために、厚生労働省を訪問し、塩崎大臣政務官と面会させていただきました。
今回の決定については、「1年未満であれば、転居届提出は必要なく、障害福祉サービスの利用が可能。」という厚労省が示した見解が、水戸市の英断を後押しすることになりました。この見解を示していただいたことに深く感謝し、その想いを塩崎政務官にお伝えしました。
また、今回の事例が水戸市だけの特例とならないように、全国の自治体への周知を要望しました。
塩崎政務官からは、「八木さん達の挑戦は、障害者の方だけでなく、多くの人に勇気を与えます!今回の決定を特別なケースで終わらせないために、厚労省から正式な事務連絡を出します。」というお言葉をいただきました。本当に嬉しかったです。
また、事務連絡を出してもらえることはとても素晴らしいことです!これにより、全国どこの自治体でも障害者の海外渡航中のヘルパー利用が認められるはずです!
訪問の様子を記事にしていただきまし。こちらをご覧ください。
そしてついに、クラウドファンディングの成功と制度利用が可能になったことで、アメリカ研修が実現可能になりました!
今回の挑戦においては、諦めてしまいそうになるほど高い壁がありました。
しかし、本当にたくさんの方々に助けられ、励まされてここまで来ることができました。
勇気を持って挑戦することで、たくさんの方々が応援してくれること。
そして社会を変えていくことができるということを強く感じています!
やっとスタート地点に立ちました。
出発予定は11月です。
出逢いに感謝し、トラブルを楽しみ、貪欲に学んできます!
そしてなにより、存分に人生を味わってきます!
みなさま、ぜひアメリカの報告をお楽しみに。
八木郷太
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