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ADA27 Lead On! Youth Projec

​~アリゾナ編~

 ワシントンDC・ニューヨーク編に引き続きアリゾナ編をお伝えします。

 バタバタなニューヨーク観光からホテルに帰ってきてから荷物をスーツケースに突っ込み、仮眠もそこそこに朝の?夜の?3時半にホテルを出発し空港へ。シカゴを経由しアリゾナのツーソン空港に到着。暑い!!灼熱の40℃!!日差し痛いぐらいにぎらぎらの中、サボテンの前で記念撮影。空港からタクシーと高速バスでホテルへ。この日は疲れてみんな爆睡・・・

 31日からアリゾナのCIL「ability360」訪問のスタート。このability360というセンターがめちゃめちゃデカくてビックリ!まずセンターがデカい。三日間の訪問ではすべての部屋を回り切れないほど部屋が多く、CILというより大企業のオフィスといったような建物でした。他の障害者団体に部屋を貸しているほどです。ヘルパーの数はなんと2700人!それだけでなく、なんと大きなスポーツセンターまであるのです。このスポーツセンターにはバスケットコート2面、プール、トレーニングジムまで。すごすぎて笑っちゃいました。初日の午前中はそのスポーツセンターを見学させてもらいました。スポーツセンターはability360の人だけが使えるわけでなく、地域の障害者や、健常者も月額を払えば使い放題だそうです。またスポーツイベントも開催していて、地域の人たちが集まる交流の場としての役割も担っています。また障害者スポーツにも力を入れていて、そのスポーツセンターでは多くの障害者スポーツが行われています。訪問中にウェルチェアラグビーの練習を見学させてもらいました。やっぱり迫力満点でかっこよかった~。選手の人たちもすごく優しくて、写真も快く撮ってくれました。その後会議室に移動してピザと炭酸飲料といういかにもアメリカというようなランチを食べました。そして権利擁護関係の部署の人たちとのミーティングに参加しました。言い忘れましたが職員さんも多いので、ability360はいくつかの部署に分かれています。訪問した3日間でたくさんのミーティングなどに参加したので、とくに印象に残っているものを書きたいと思います。

 まずは31日の午後に出た権利擁護関係のミーティングで聞いた話です。アメリカでは日中介助者が必要な障害者が公立の普通学校に通う場合、日本のように親などが付き添って介助をする必要はなく、介助者が日中の介助をしてくれるとのことで、費用は州が負担するそうです。日本でも障害者が普通学校に通っていて介助の面で問題が起こるということがあります。障害があっても普通学校に通いやすくなるためには日本もこのような制度に変わっていく必要があります。

 そして学校といえば8月2日にアリゾナ州のNPOの盲学校を見学させてもらいました。まず先生たちと1時間ほど話をさせてもらいました。ここでも「NCILカンファレンス」同様、白杖を持っている人はもちろん、日本に比べて盲導犬を連れてる人がたくさんいました。その中でアメリカの道や建物には点字ブロックがあまり多くないことについて尋ねると、「どこにでも点字ブロックがあるわけではないので、点字ブロックがなくても道を歩けるようにトレーニングをしている。」とのことで、実際に学校の中を壁や点字ブロックを頼らずに歩いている人が多くいました。日本とは考え方が違うな、アメリカ人はなんだかたくましいな~と思いました。逆に都会と田舎で街のバリアフリー化などに大きな差があるという問題点は日本と同じでした。その後校内を見学させてもらいました。この学校には小さい子供から大人まで幅広い年代の人が通っていて、この学校から普通学校に進学する生徒もいるそうです。

 またability360の障害当事者にアメリカでの介助者事情について話を聞きました。衝撃だったのはアメリカでは24時間介助を使って生活をしている人はいないという話です。アメリカでは介助に必要なお金があまり多く支給されないため長い時間の介助を受けることが出来ないと言っていました。では24時間介助が必要な人はどのように生活をしてるのかと尋ねると、「そういった人は在宅で家族に介助をしてもらうか、施設に行けと言われます。」とのこと。どんなに重度の障害があっても地域で暮らすことを目的にしているCIL。そのCILが誕生したアメリカがこういった状況にあるというのは本当に衝撃でした。このように国からの保障が少ないため、雇用の支援に力を入れているCILが多いのかなと思いました。実際ability360にも雇用の支援をしている部署がありました。

 このようにアメリカでいろいろと話を聞くと、アメリカは州によって制度などが大きく違いますが、国による保障やCILによる重度障害者の支援はアメリカよりも日本の方が優れていると気づきました。逆に建物や公共交通機関に関してはアメリカがとても優れていました。やはりこれはADA(障害を持つアメリカ人法)の効果が大きいと思います。こういったところはアメリカを見習って日本でも法律や制度の整備を進めていきたいです。

 大冒険だった17日間を経て、自分自身大きく成長したと感じています。知識の面はもちろんですが、精神的にも強くなりました。CILいろはと出会って、自立生活が始まり、そして今回のアメリカと本当に刺激的で楽しい日々を送ることが出来ています。自分のようにめちゃくちゃおもしろい人生を送れる障害者を増やすために、今回の経験を存分に活かしていきたいと思います。DC・NY編、アリゾナ編とずいぶん長くなってしまいました。最後まで読んでいただいてありがとうございました。また、クラウドファンディングやTシャツ購入などなど支援していただいたみなさま、本当にありがとうございました。みなさんのおかげで素晴らしい経験をすることが出来ました。これからより一層活動を頑張ることでみなさんに恩返しが出来ればと思います。最後にこの場をお借りして同行してくれた2人の介助者に感謝したいと思います。本当に大変なスケジュール、ハードな介助だったと思いますが、最後まで頑張ってくれました。二人のおかげでこうしてみなさんにいろいろな報告が出来ています。本当にありがとうございました。

 

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